じゃがいも−育て方
じゃがいも−育て方
トマトと同じ仲間でもある、昔、海外から伝わってきたというジャガイモです。今では古くから日本の野菜のような印象がありますが、アンデス地方などが有名な産地だったようです。それが西洋世界へ伝わり、その後、だいぶ経ってから日本へ渡ってきました。
たしかにポテトというと、西欧諸国が有名な料理があります。じゃあ、肉じゃがは新しい和食?ハンバーグのような洋食屋さんの食べ物だったのでしょうか??
詳しくは分かりませんが、現在では最も機械的に生産できる野菜の1つとも言えそうです。広大な広い大地にジャガイモを大量に生産して、コストを抑えて栽培しているようです。加工用に栽培しているものなど、おどろくような値段なんだと思います。
また、澱粉をとるために使われたり、ポテトチップのようなお菓子になるものもあります。
しかし、意外と買うと高いジャガイモ。まず、一番はじめにジャガイモほりをして、接することがある野菜です。
ジャガイモ栽培の流れ
- 土づくり、プランターと培養土の用意 (〜2月)
- 種芋を買います。 (2月〜3月下)
- 種イモの植え付け
- 発芽 (早くても2週間、気温による。寒い時期はもっと)
- 芽欠き作業 (発芽後、草丈が10cm〜20cmの間に)
- 土寄せ (芽欠きのときに)
- 追肥と土寄せ(2,3回)
- 花が咲き始めたら、イモが肥大し始める
- ジャガイモの収穫
- ジャガイモ栽培後は?
まずは、植え付け前に土の準備をします。寒い時期なので肥料が馴染んで分解されてくるまでに時間がかかりますので、若干早めに作業を開始します。といっても、発芽自体も遅いので、植え付け時に同時に播くのも可能ではあります。
特に石灰などは根がヤケてしまいますが、そもそも、ジャガイモ自体が球根で、根が発根してくるまでに石灰がある程度溶けて根やけしないようになっているかもしれません。
ほんとうにどうしようもない芋じゃないかぎり、その芋を種芋として使うことも出来ますが、やはり、ちゃんとした芋の方がいい結果が出ます。しかし、ここは敢えて、 ちゃんとした種芋を買ってみることにします。別に収穫した芋と種芋の間に違いはありませんし、何かの処理をしてあるとかいうこともありません。
そのため、なんで種芋を買うのか?ただの、公的機関への寄付金かという気もしますが、やはり、あえて買うほうがいいようです。キロ500円程度からあります。 ジャガイモ1個スーパーで買うと150gが1個100円くらいだとすると、同等の値段だということになります。
恐ろしい話です。ジャガイモとして出荷できないサイズの芋を種芋と言い、出荷Levelのものと同じ値段で売られているわけです。同時に、出荷できない サイズも同等で売りさばければ美味しい限りです。むしろそっちを優先して作りたいくらいです。
しかし、種芋から、10倍から50倍もの収穫ができるというジャガイモは、恐ろしいほどの生育量を持っていて、どう考えても種芋供給過多であるはずです。 本来は、タダ同然で入手可能なはずなんですが、このような値段で生産者もこれを買えるように大量売りもされています。もちろん、自前で取っている方が、 圧倒的にいいとは思います。
つまり流通している種芋はほんとうにごく僅かな生産場においてのみ作られた芋だといえると思います。
ちゃんとした種イモを植えていきます。
従来は1本のスジに1個づつ1列に植えていきます。
1畦に2列植えたりはしません。それは土寄せ作業があるためです。ダイコンは青首が主流になり土寄せが要らない、マルチを使って栽培するなどという理由で ほとんど隙間なく植えていますが、ジャガイモは1列が基本です。
緑のダイコンは価値があっても、緑のジャガイモは価値がありません。おまけに毒素が出来ているそうです。微量ですが。
植え方は、30cm以上イモ同士を離して植えます。土の深さを地面よりも10cm程度下にイモが来るようにして土を被せて、水を少しやります。
基本的に一度水やりをすると、あとは、自然の水分で、いや、水やりも要らないんじゃないかと思うくらい、時間がかかりますが、発芽してきます。いや、 要らないと思います。無理して与えることはしなくていいと思います。
自然にころがしておいても勝手に芽が生えてくるわけですし、イモの中に水分と栄養分が十分にあるのがジャガイモです。
気温が上がれば、勝手に伸びてきて、地面の上に芽が出てきます。
枝がたくさん伸びていると、1つのイモなので、また、場所がないので、ほとんど大きいイモができません。
下手をすると10本が伸びてくることも有ります。極小イモをたくさん欲しいならこれもありです。
しかし、気分的に大きいイモが土の中から出てきた時の喜びは、実にいいものです。プランターなど小さくなりやすい環境ではなおさらです。
出来る限り好条件になるように、本数を2、3本にまで減らします。これで最大限大きいイモを作ります。ただの気分です。
小芋でよければ5本くらいまでならいいですが、あまり茂りすぎると、光が当たらず、デンプンが光合成で産生されなくなって、ホクホク感が減るかもしれません。 日照の点でも、本数は減らしたほうがいいです。
芽欠きをする時期に同時に土寄せをしてしまうといいです。
なぜか、種イモの上に土が多いほどたくさんのイモができます。といってもあまり変化はありませんが、土寄せを全くしないと、緑の芋がいくつかできて 終わりです。数は減ります。
かといって、バケツのように穴を彫って埋めても、たくさんできるかどうかはわかりません。 穴を地面よりも下に掘ると土寄せが楽になりますが、収穫が大変になります。ここは中間をとっていい深さにしておいて、土寄せで対応させます。ここで、株間が 近すぎると、土寄せが出来ません。
崩れてきてしまうため、高くもれないからです。生産している畑を見ると、盛り土が10k米袋くらいの大きさになっているのが分かります。これくらい盛っていくわけです。
それがポイントです。
土寄せは必須です。2,3回は確実にやったほうがいいです。追肥は元肥が十分あるなら要りませんが、1回以上はやったほうがいいようです。
ただし、追肥はほんとうに控えめにしないと、あっという間に蛾の幼虫が来て、葉を食べてしまいます。花が咲く、蕾が出始めたら追肥は遅すぎですので辞めます。
あくまでも丈夫な葉と茎をしっかりと茂らせるということが目的です。品種に寄っては花が咲いたり咲かなかったりします。
確実に、花が咲くまではイモはできてない。と思って下さい。焦るあまりに、ついつい掘り起こしてしまおうというのは間違いで、よく、黄色く枯れたら掘る、というのが 一般的ですが、何月、何日間経過したからもういいだろう、、葉が大きいしいけるだろう、、というのはミスることになるでしょう。
ほんとうに、種イモだけしかない状態で、種イモを収穫イモだと思ってしまうくらいだと思います。
ジャガイモは花が咲き出してから肥大するのです。それだけであれほど大きくたくさんのイモができることが逆に脅威です。 花が咲いてから、収穫まで1ヶ月あるかないか、、ということもあります。ですが、枯れるのは、暑さが原因の1つでもありますので、じつに、早くに花が咲く ステージを迎えさせ、暑くなって枯れるまでの時間を伸ばすかが、大量収穫の秘訣だといえます。
目安は、枯れたら、肥大しませんので、もう掘り起こすしかありません。
ダメになるまで限界まで肥大、というのが一番です。それよりちょっと早く、小さいイモを、新じゃがと言って食べて喜んでいるので、早めに少しづつ抜いて 食べていくといいでしょう。抜くと言ってもジャガイモは抜けませんので、掘り起こす作業になります。
もうこれは専用機械が無い限りはパッカリと2つに割ることがあるでしょう。
だいたい、30cmくらいは掘らないといけませんので、手掘りはキツく、大きなスコップ、鍬などなど、を使い、掘っていきます。細かいことは気にせず、 思い切って掘り起こしていくといいです。専門家は収穫も機械で無駄なく手間なく掘り起こすと思いますが。
土の中のほうが水分があって鮮度が維持できるのですが、夏場の高温多湿時期と重なるため、逆に雨で腐ってしまうことが有ります。また、保存にはある程度 乾燥させてからの方がいいかもしれません。一日もあれば十分です。とにかく、放置は危険です。
ジャガイモを掘ると恐ろしく畑が耕されます。かてさいならば、もう、耕す必要もなく、何かを植えることが出来るでしょう。夏なので、第二弾のキュウリとかナスとか、 トマト、インゲン豆などがいいかもしれません。
ジャガイモを育てている様子
寒くなる一方の気候ならジャガイモは断然お得な野菜
夏野菜でありながら、というか、夏野菜の時期に植え付け、収穫する事が多いため、夏野菜と言われがちですが、冷涼な気候を好む寒い地方に適した野菜です。
日本全国どこでも寒いほうが長いですし、ひんやりすることが多いものです。そういうところで本領を発揮するのがジャガイモです。
夏野菜が上手く育たないくらい寒くなったらジャガイモを植えましょう。きっとうまくいきでしょう。
北海道が有名なようにジャガイモは寒いぶんには問題無いです。一応、夏場の日照量が確保されれば、涼しくていいものです。ただ、多雨になってしまう場合は注意が必要です。残念ながら豪雨が続くような気候にはあまり適しません。
北海道は梅雨がないと言われていましたので、あまり多雨ではありません。それもいつどうなるかわかりませんが、おいしいジャガイモを作るための条件でもあると思います。
ところで、日本中でジャガイモを作ったらどうなるでしょう??あっという間にジャガイモは値下がり、もう、産地では作らなくなるでしょう。それくらいすごくよくできます。
そして、あまり食べません。ほんとうに驚くことに、ジャガイモを食べた量は、ポテトチップ、ポテトフライがメインで、あとはデンプンとして使用しているくらいでほとんど食べていないということに気が付きます。
ポテトサラダが嫌いな人はもっと少ないでしょう。最近では、ファーストフードのポテトも高くなったものです。
それを食べる人は食べる、若者は多いでしょう。しかし、ポテトはアメリカは凄く良く食べます。
そういうものは食文化であるのですが、カロリー過多というイメージが有り、あまり食べません。だからこそ、高級ジャガイモが必要なわけです。一口で満足するのが日本の普通の人のようで、じゃがバターは1つで十分です。
今後はただ、ジャガイモを作っていてもダメそうです。一個あたりいくら高くできるかということが大事なのかもしれません。
食糧難をささえた、簡単にたくさん作れる芋の代名詞であるサツマイモでさえ、今では高級ブランド化が進み、焼き芋もびっくりするくらい高くて、高級品に姿を変えました。
もし、ジャガイモがそうなったら、ファーストフードからは消えることとなるでしょう。